桜の下に人あまたつどひ居ぬ
なにをして遊ぶならむ。
われも桜の木の下に立ちてみたれども
わが心はつめたくして
花びらの散りておつるにも涙こぼるるのみ
いとほしや
いま春の日のまひるどき
あながちに悲しきものをみつめたる我にしもあらぬを。- 萩原朔太郎 『桜』
さよならだけが
人生ならば
また来る春は何だろう
はるかなるかな地の果てに
咲いてる野の百合何だろうさよならだけが
人生ならば
めぐりあう日は何だろう
やさしいやさしい夕焼と
ふたりの愛は何だろうさよならだけが
人生ならば
建てたわが家は何だろう
さみしいさみしい平原に
ともす灯りは何だろうさよならだけが
人生ならば
人生なんか いりません- 寺山修司 「幸福が遠すぎたら」